ゲーミングデバイスレビューゲーミングマウスレビュー

【Kone Pro Airレビュー】ハイセンシのつかみ・つまみ持ち向けゲーミングマウス

「※この記事ではアフィリエイト広告を利用しています」

Kone Pro Airはどんなマウス?

Kone Pro Airを実際に使った感じ、このマウスのターゲットとしてはハイセンシの「つかみ持ち」「つまみ持ち」だと感じました。

このマウスはドイツに本拠を構えるゲーミングデバイス専門ブランド「ROCCAT」が独自で開発した「左右非対称デザイン」のワイヤレスゲーミングマウス。
強度を保ちつつ軽量化を図るために内部フレームがハニカムシェルとなっており、デザインは比較対象が同じ「Koneシリーズ」しかないほどに珍しい特殊形状。カラーバリエーションは「ブラック」「ホワイト」の2色展開です。

パッと見特殊な形状なので一癖二癖ありそうに見えますが、実際に持ってみるとイメージとは違って非常に持ちやすいと感じました。はっきり言ってかぶせ持ちは微妙ですが、つかみ・つまみ持ちでは高いグリップ性を得ることができます。

あまり力を込めず脱力した状態でマウスを持つスタイルよりも、がっちりと力を込めて持つスタイルの方にハマる印象です。

本体重量は75g。
最近のトレンドであるライトウェイトな50g台のマウスと比べてしまうとかなり重めですが、この重量はハイセンシ~ウルトラハイセンシの課題である細かなエイムの震えを抑えてくれます。(手の震えでエイムがプルプルしたり、クリック時のエイムズレなど)

どんな方におすすめか?

ROCCAT「Kone Pro Air」はつかみ持ち・つまみ持ちに適性の高い完全オリジナルの独自形状、重めの本体重量でハイセンシに適性が高いという点が最大の特徴。

スペックの高さや、軽さでマウスを選びたい方にはピンとこないかもしれませんが、ハイセンシかつ、「つかみ持ち・つまみ持ち」プレイヤーと相性が良いゲーミングマウスであると結論付けました。

本体形状デザイン・サイズ

Kone Pro Air」はROCCATが独自に開発した完全オリジナルデザインのゲーミングマウス。

筆者の見解としては左右対称デザインをベースにエルゴノミクスデザインのエッセンスを取り入れた、「左右対称寄りのエルゴデザイン」だと感じました。

代表的なエルゴノミクスデザインマウスの「Death Adder V3 Pro」や「Pulsar Xlite V3」などと比べると、マウストップの高さがかなり低め。マウス左側から右側にかけての傾斜もかなり緩やかになっています。

マウス左側面はエルゴデザインらしい形状に見えてシェープ(絞り込み)が控えめになっています。(※比較対象はほぼかぶせ持ち専用機であるSteelSeries Rival600)

右側面はシェープが深めではあるもののGPro X SuperLight系のデザインに近い形状となっています。(※比較画像はGPro WirelessのクローンモデルであるGwolve Hati-M)

サイズ

奥行126×横幅72×縦40mmとなっておりカタログスペックで見ると大き目の中型サイズに分類されます。

しかしこのサイズ感は最も出っ張ているポイントの数値なのでサイズ感としては正確ではなく、実際に指をかけるグリップポイントでは後部67mm×中央60mm×先端57mm(計測数値)の中型サイズです。

持ち方の相性

筆者の手の大きさは横幅8cm長さ19cmで、日本人男性の平均サイズです。指の太さや長さ、それぞれの持ち方、癖、力の込め具合といったさまざまな要因によって感じ方が異なる可能性があります。あくまでも個人の感想でなので参考として意見を受け取ってくださるとありがたいです。

かぶせ持ち

かぶせ持ちとの相性は悪いです。

メーカーによるとかぶせ持ちとの相性も良いと紹介されていますが、筆者の手には全く合いませんでした。

筆者のように平均的な手の大きさであっても指が窮屈で、薬指をかけるポジションが狭く持ちづらいです。

薬指をうまくマウスに沿わせようとすると小指を曲げて保持しなければならず、小指をマウスに沿わせようとすると薬指が窮屈です。

落ち着きの良い持ち方としては薬指を伸ばし、小指をつかみ持ちのような形に曲げて保持するという変則的な持ち方でした。

また、本体後部の高さが低いので手のひらとの密着感も低く、フィット感をあまり得られません。

つかみ持ち

つかみ持ちとの相性は非常に良いです。

ピッタリと指が吸い付くポイントがあり、非常に高いホールド性を得ることができます。指の配置ポジションの選択肢も広く、深め・浅めポジションどちらでもしっかりとマウスをつかむことができます。

手のひらのフィット感も良く、マウスの背中部分が手のひらに沿うように収まります。しっかりと手のひらでマウスを支えることができるのでホールド性はかなり高いです。

ホイール、サイドスイッチへのアクセス性も良いです。

つまみ持ち 

つまみ持ちとの相性は非常に良いです。

親指・薬指・小指のフィット感が非常に高く、マウス後部の膨らみが絶妙で小指に力を入れやすく、つまみ持ちの懸念点である保持力の低さをカバーできます。

少し小指の配置ポジションの選択肢が少ない感じはありますが、おさまりの良いポジションに指をかければ保持力はかなり高いです。

浅めポジションのつまみ持ち

浅めポジションのつまみ持ちとの相性は良いです。

かなり浅いポジションで持っても保持力の低下は最小限に抑えられ、保持力は高い印象。

ただ1つ懸念があるとすれば、あまりに浅いポジションで持ってしまうとクリックボタンの根元付近を押すことになるので、クリックが少し重くなることが挙げられます。

加えて、浅いポジションで持つと奥側(マウス先端側)のサイドスイッチは物理的に押すのが困難になります。ホイールへのアクセスは指の長さにもよりますが筆者の場合ギリギリ問題が起こらないレベルでした。人によっては届かないかもといった感じ。

ビルドクオリティ

ビルドクオリティは良いです。

トップシェルのパーツが分割タイプなのでどうしてもパーツとパーツの間にセパレートラインは見えてしまいます。ですがシェルの成型精度は高く、分割ラインは一定でパーツとパーツはがっちりと取り付けられています。

さすがに思い切り握るとわずかに軋みきしみ音が生じますが、実際のゲームプレイ時の力加減では何の問題もありません。また、マウスを左右に大きく振っても音が鳴る事はありません。全てのパーツが適切に取り付けられています。

ホイールの左右ブレが僅かにありますが故意にホイールを左右に動かさないと気づかない程度なので実用上の問題にはなりません。

コーティング

側面部分にはしっとりとした質感の指に食いつく滑り止めコーティングが施されています。

乾燥状態~ほんのり汗ばむ程度の状態であれば、指先に吸い付く感覚があり、グリップテープを貼り付けなくてもグリップ力は結構ある印象です。

しかし、さすがに汗をかいてくると滑ってしまうので、手汗を多くかいてしまう方はサードパーティ製のグリップテープを貼り付けるのがおすすめです。

メインクリックやマウストップはサラサラとした質感のコーティングが施されています。グリップ力はあまり無く、あくまでサポート程度の滑り止め効果がある程度といったところ。

メインクリックスイッチ・フィーリング

メインボタンには1億回の耐久性を誇る「TITAN SWITCH OPTICAL」が搭載されています。

これはROCCATオリジナルの光学検知式のスイッチで、物理接点式のメカニカルスイッチに比べ検知精度・スピードの性能が非常に高いです。

光学検知式のオプティカルスイッチは光で入力を感知するので、物理接点式のメカニカルスイッチに比べて圧倒的にクリックの入力スピードが速いです。
また、構造上チャタリング(入力のON/OFFのエラー)が発生せず、確実にクリック入力ができるというメリットも。

メインクリックフィーリング

クリックボタンは遊び(デッドゾーン)が少なく、クリックの感触は軽いです
クリック音はメカニカルスイッチに比べると静かで、キーボードの茶軸スイッチのようなイメージが思い浮かぶ「タクタイル系」の少し低めの音。

遊びが少なくクリックも軽いので、ゲームプレイ中に「敵だ! 」と思ったらすぐにクリック入力することがで来ます。また、クリックの戻りも速いので単発武器の連射や、タップ撃ちなどの連打もやりやすいです。
 

クリックボタンは本体と分割されており、どこをクリックしても押し心地に大きな変化はありません。根元部分だけは少し重たい押し心地になりますが、よほど浅いポジションでマウスを持たない限りは押し心地に大きな変化は起こりません。

ただ、クリックボタンを押し込むと1mm程度の左右ズレが起こります。「ぐにゃり」という嫌なフィーリングは無く実用上の問題はありませんが、力を込めてクリックボタンを押し込む方は少し気になる可能性があります。

サイドボタン

大きいボタンで押し心地が軽い歯切れの良いボタンです。素早い入力を要するキーバインドの設定も大丈夫。

親指に干渉しないぎりぎりの位置にボタンが設置されてるので少し上に指をスライドすればボタンを押すことができます。

ホイールフィーリング

アルミ削り出しのホイールを搭載。溝が深めかつザラついた表面処理が施されています。ラバー素材のホイールと比べるとグリップ力は劣ってしまいますが指先にしっかりとかかる感触があります。

ホイールを回す重さは普通しかし1スクロール1スクロールの引っ掛かりがかなり強いです。連続スクロールをする際にストレスを感じるほどの硬さではありませんが、かなり強いノッチ感をはっきりと指先で感じ取れる「コリコリ系」のフィーリングです。

ホイールクリック

ホイールクリックは硬めです。

ホイール周りは誤入力を防ぐことにフォーカスされており、入力の素早さよりも正確性を重視した設計になっています。

クリックが成立するポイントは浅めですが跳ね返しの力が強いのでしっかりと押し込まないとクリックできません。

押し込むためには少し力をかける必要があり、咄嗟に入力する必要があるキーバインドの設定は避けた方が良いです。

本体重量・重量バランス

ROCCAT「Kone Pro Air」の本体重量はメーカー公表値75g、実測値は72gでした。

メーカー公表値とは誤差がありますが、個体によって若干の差は生じるので多少前後します。

75gという本体重量は最近の50g台が当たり前な超軽量化ブームから考えるとかなり重い部類です。

しかし、この重さは安定感に欠けるハインセンシやウルトラハイセンシの弱点を補ってくれます。「手の細かな震えが原因のエイムプルプル」「クリック時のエイムズレ」など、ハイセンシだとどうしても起こってしまうエイムの震えを軽減してくれます。

重量バランス

重量バランスは中心に位置しています。

浅め・深めどのポジションでマウスをグリップしても引っ張られる感じ、引きずり感は無く適切な重量バランスです。

マウスソール

マウスソールには熱処理加工が施されたピュアPTFE素材の大型ソールが二枚貼り付けられています。(※交換用マウスソールが1セット付属)
 
ソール端のエッジは適切に処理されており、表面が粗目のマウスパッドや厚みのあるマウスパッドとの組み合わせでも引っ掛かかりは起こりません。

すべり出しが軽く、大型ソールながら滑走性も高めなので素早いエイムや左右の切り返しもスムーズに行うことができます。ただ大型ソールなので表面がキメ細かいコントロール系マウスパッドだと操作感の重さが気になる場合も。 

センサー

PixArt社製PAW3370をベースにROCCATによってチューニングされた「Owl-Eye 19K DPI」が搭載されています。

最大DPIが19,000、最大加速度が50G。

初期DPIは400/800/1200/1600/3200の5段階(自分で好きな数値に設定可能)です。ソフトウェアから変更するか、サイドボタンのどちらかにDPI変更キーを設定することで素早く切り替えることができます。

センサー位置

センサー位置はやや前側に位置しています。やや深めのポジションで保持すると手のひらの中央にセンサーが来ます。

センターポジション~やや浅めのポジションではセンサー位置が前目になりますがエイム操作の感覚的に「引っ張られる感じ」はありません。

センサーテストはSteel Series「Qck」で行いました。ポーリングレートは1000Hz、LODは最低です。

LOD(リフトオフディスタンス)

低・最低・カスタムの三種類が用意されています。なにか理由が無い限り「最低」で良いかと思います。

実測値は以下のとおりです。

LOD設定実測値
最低1.0mm
1.8mm
リフトオフディスタンスとは?
  • リフトオフディスタンスはマウスを持ち上げた際にセンサーが反応しなくなるまでの距離。
    基本的には短ければ短いほどよく、1mm以下なら優秀とされている。

  • マウスパッドやデスク環境によって多少変化するが、LODが短いとマウスを持ち上げる際のエイムブレを最小限に抑えることができる。

ポーリングレート

ポーリングレートは最大1,000Hz。

125Hz、250Hz、500Hz、1,000Hzから選択可能となっています。

バッテリー

バッテリー持続時間はメーカーによると最大約100時間超。ただし、2.4GHzワイヤレス接続のみで使用するとRGBライティングOFFでも100時間未満でバッテリー切れが発生したため、DPI設定やポーリングレートなどの使用状況や環境次第かと思います。

また急速充電に対応しており、10分間の充電で約5時間の動作が可能。不意に充電が切れてしまっても10分間の充電でしばらく分のバッテリーは確保できるので、慌てて充電ケーブルを刺したマッチ後に軽くティータイムを挟めばまたワイヤレス状態でゲームをプレイできます。

マウスを動かさないまま一定時間経つとスリープモードに移行するため、「電源を切り忘れてバッテリーが! 」という事態は起こりません。スリープからの復帰も速くスムーズです。

ケーブル・ドングル

ケーブルは布巻のパラコードケーブル。柔軟性は申し分ないですが、少し重めなのが気になるところ。しかし基本的に充電用に使用するのが主な用途だと思うので特段気にするポイントではないかと思います。

ドングル

2.4GHz接続用のUSBレシーバーが付属。

しかし1つ注意点があり、ドングル延長用のアダプターが付属しません。

マウスとは別に追加で購入する必要がありますが、通信強度・安定性を確保するためにもUSB延長ケーブルの導入をかなり強めにオススメします。

RGBライティング

メインクリック部分が明るく光り、内部のハニカムシェルが浮きでて見えとても綺麗です。

8種類のライティングエフェクトから選択可能。また、バッテリーインジケーター(充電残量値)としても設定可能です。

マウスの動きに合わせてライティングが変化するROCCAT独自のライティング技術「AIMO」にも対応。

ソフトウェア

日本語にも対応しており、直感的に操作できるとても使いやすいソフトウェアです。

色んな設定パターンを作るプロファイル設定、マクロ設定も行うことができます。

「Kone Pro Air」はこのような方におすすめ!

ROCCATKone Pro Airは、ハイセンシかつ「つかみ持ち」「つまみ持ち」スタイルの方におすすめのゲーミングマウス。

中でもがっちりと力を込めてマウスをつかみ込むスタイルに高い適性があります。

浅めポジション、深めのポジションでもほとんどフィット感が変わらず高いフィット感を得られるのがこのマウス最大のメリット。


また、1世代前のワイヤレスゲーミングマウスということもあり最近のハイエンドクラスと比較すると価格も1万円台前半(24年2月時点)と手ごろなのもうれしいポイントです。

この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。