ゲーミングマウスパッドを選ぶ基準
ゲーミングマウスパッドを選ぶときの基準としては、自分がメインにしているゲームタイトルに合わせて選ぶか、自分の中で課題になっている要素に合わせて選ぶのがおすすめです。
例をあげると、ゲームスピードが速くてアクション性が高い「Apex Legends」や「Overwatch2」といったゲームタイトルではトラッキングエイム(追いエイム)を多用するので、マウスの操作スピードを高める“滑りが速いマウスパッド”。
「VALORANT」や「CS2」などの初弾1発の精度がなによりもゲームタイトルは、細かいエイムとフリックエイムを多用するので、精密なエイムの精度を高める“滑りが遅めのマウスパッド”。
といった具合に、自分がメインにしているゲームや、好みに合わせて選ぶのが良いです。
また、ゲーミングマウスパッドのレビューはこちらのリンクからご覧いただけます。
気になる方は合わせてお読みください。
マウスパッドの性質
ゲーミングマウスパッドはそれぞれ「初動の軽さ」「コントロール性」「表面の質感」「クッション層の硬さ」「マウスパッド端の加工」が違っており、なかでも特にコントロール性とクッション層の硬さは操作性に大きな影響をあたえます。
どれもゲーミングマウスパッドを選ぶ際にとても重要なポイントなので、これらの違いによって何が変わるのかを解説していきます。
初動の軽さ
マウスを滑らせ始めた時に感じる“初動の重さ”はマウスパッド毎に違っており、操作時のフィーリングに大きく影響します。
初動が軽いマウスパッド
初動が軽いとマウスの動かし始めからスムーズにマウスが滑るので、「トラッキングエイムメイン」や「エイムの左右切り返し」のレスポンスが良いです。
ゲームスピードが早いゲームとの相性が良く、Overwatch2などのエイム精度よりもエイムスピードの重要性が高いゲームとの相性が良いです。
プラスチックやガラス素材、表面が硬い質感の布製マウスパッドは初動が軽くなる傾向にあります。
軽い操作性を活かしたトラッキングエイムや、エイムの左右切り返しにがとてもやり易いですが、ザラつきや硬さが手首や腕に不快感を与える可能性があります。
初動が重いマウスパッド
初動が重いと、手の震えなどが原因の細かいエイムブレを防いでくれます。
そして、初動の重さは=止めやすさなので、精密なエイムやフリックエイムの安定性/精度向上効果も得ることができます。
初動が重いマウスパッドは、滑らかな材質の布製がほとんどで、しっとりとした感触で抵抗が大き目の設計になっています。
ですが、滑らかな表面のマウスパッドは汗や湿気などの水分によって起こる滑り具合の変化が比較的大きい傾向にあります。
コントロール性
ゲーミングマウスパッド毎に滑走速度(滑りの速度)が違っており、基本的に滑走速度が遅いものはコントロール性が高く、滑走速度が速い物はコントロール性が低いです。
滑走速度が遅いコントロール性の高いマウスパッドの場合、マウスの滑りが遅く、止め性能も高いので「細かいエイムがやり易く」なり、修正が難しい「エイムの行き過ぎ」も起こりづらいです。
アクション性の高いゲームタイトルではコントロール性がエイムスピードの妨げになってしまい邪魔になる場合もあります。
しかし、「VALORANT」「CS2」などの、エイムスピードよりも“精度”が重要なタクティカルシューティングゲームにおいてコントロール性は、「“細かいエイムの精度”」「“フリックエイムの安定性”」を高めてくれます。
半面滑りが早くコントロール性が低いマウスパッドの場合、滑りが早いのでマウスの操作スピードが早くなり「エイムスピードの向上」や、敵の動きに合わせてエイムを追いかける「トラッキングエイム」がとてもやり易いメリットがあります。
ですが、あまりにも滑りが早すぎると「マウスを止めづらい」「エイムが行き過ぎる」といったエイムの安定性を下げてしまうデメリットが出てきます。
表面の質感
マウスパッドの質感はスピードタイプとコントロールタイプのマウスパッドそれぞれで大幅に違っています。
スピードタイプ
スピードタイプは、プラスチックやガラス素材などの硬質素材や、硬めの繊維を粗目に織り上げた布製、表面の布繊維にガラスコーティングを施したものなど、マウスを滑らせた時の抵抗が小さい素材で作られています。
スピードタイプのマウスパッドは滑りがとても早く、トラッキングエイムやエイムの左右切り返しのレスポンスに優れますが、止め性能はあまり期待できません。
また、表面が硬い素材なのでクッション性が少ないので、腕や手首にかかる荷重を分散する効果が無く、疲労がたまりやすいデメリットがあります。
特に手首付近にある骨の出っ張りに荷重がかかるスタイルの場合は、その箇所に痛みが出る可能性もあります。
コントロールタイプ
コントロールタイプはポリエステル素材やマイクロファイバーなどを使用した布製のものがほとんどです。
抵抗を大きくにするためにほんの少し起毛した布地や、布の織り目が細かいものなどがあり、ほかにもベース材(クッション層)が柔らかめで少し沈み込んだりと、マウス操作のスピードが遅くなるように設計されています。
また、クッション性が高いものが多いので、手首や腕をあずけてもトラブルは出づらく、滑らかな材質なので肌が素早くこすれても痛みは出づらいです。
クッション層の硬さ
ゲーミングマウスパッドはクッション層(ベース材)の硬さによって操作性が大きく変化します。
クッション層が硬いマウスパッドは押し込んでも沈まず、マウスを滑らせる速度が変わりません。
荷重による滑り具合の変化が無く操作感が一定なので、安定した操作性を求める方に適しています。
特に、連続でマウスを動かし続けるトラッキングエイムメインのゲームを良くプレイする方におすすめです。
クッション層が柔らかいマウスパッドは、マウスを押し込むことで沈み込むので摩擦が増しコントロール性が大幅に向上します。
操作感は変動しやすいですが、摩擦抵抗の大きさを利用してマウス急減速させることができるので、“止めやすさ”を求める方に最適です。
また、細かいエイムブレを抑える効果もあるので、緊張が高まる1on1の重要なシーンなどで手が震えてしまうという方におすすめです。
マウスパッド端の加工
※切りっぱなしとステッチ加工されたマウスパッドを並べる、もしくは重ねた画像
マウスパッド端はステッチ加工されたものと切りっぱなしのものがあります。
ステッチ加工されているとマウスパッド端が剥がれないので耐久性が高いです。
しかし、ステッチ部分がマウスを滑らせる面よりも高いと、操作性の悪化や、手首や腕への引っ掛かりが肌へのダメージになる可能性も。
マウスパッド端が切りっぱなしの物は操作性に優れていますが、一定期間使用するとベース材から表面が剥がれてくることがあり、耐久性の面ではどうしても劣ってしまいます。
底面のグリップ力
ゲーミングマウスパッドを選ぶとき、裏面のグリップ力は非常に重要です。
マウス操作時にマウスパッドがズレてしまうと操作が不正確になり、エイム精度が低下する原因になります。
ですが、程度の違いはあるものの近年のゲーミングマウスパッドはどれも底面のグリップ力がしっかりと備わっておりズレにくい設計になっています。
ゲーミングマウスパッドの選び方
ゲーミングマウスパッドには滑りの特性が「スピードタイプ」「バランスタイプ」「コントロールタイプ」に分かれています。
それぞれの特徴を解説していきます。
素早い滑りを求めるならスピードタイプ
Apex LegendsやOverwatch2といったトラッキングエイムメインのゲームタイトルを良くプレイする場合や、「感度は変えずにエイムスピードを速くしたい」「初動が重くて引っ掛かり感が気になる」という方はスピードタイプのマウスパッドがおすすめです。
スピードタイプのゲーミングマウスパッドはプラスチック製のマウスパッド、ガラス製マウスパッド全般が該当します。
また、布製だと粗目の織り方をしたものや、ガラスコーティングが施された物、CODURAという頑丈な材質のものがあったりと、表面の質感が少し硬いものやザラザラとしているものが多くなっています。
癖が無く使いやすい操作フィーリングならバランスタイプがおすすめ
「特定のゲームに限らず色んなゲームを楽しみたい」
「どんなゲームでも使いやすいマウスパッドを探している」
「癖の無い操作感のマウスパッドを探している」
という方は、程よく滑って程よく止まる“バランスタイプのマウスパッド”がおすすめです。
バランスタイプのゲーミングマウスパッドはとにかく癖のない素直な操作感となっており、スピード性と止め性能のバランスが良いです。
また、バランスタイプの中でもスピード寄り・コントロール寄りと、少しずつ滑り具合が違っているので、自分の好みにこだわった選択可能。
「Apex Legends」や「Overwatch2」といったアクション性が高く、敵が硬いトラッキングエイムメインのゲームでも、
「VALORANT」や「CS2」などのヘッドショット1発で敵を倒せる、初弾のエイム精度が何よりも重要なFPSゲームのどちらでも使いやすい操作フィーリングが特徴です。
エイム精度を高めたいならコントロールタイプ
「VALORANT」や「CS2」といった初弾1発の精度が撃ち合いの勝敗を決めるタクティカルシューティングゲームをメインにプレイする方には、“コントロールタイプのマウスパッド”がおすすめ。
コントロールタイプのマウスパッドは、マウスを動かし始める時の初動が重め、滑らせた時の滑走速度もやや遅め~遅い 操作感になっています。
初動の重さは手の震えが原因で起こる細かなエイムブレを防ぎ、マウスを止める操作も楽にできます。
また、抵抗感が強めなので大きくマウスを振っても止めやすく、素早く動かしてパッと止めるフリックエイムの精度を高めてくれる効果も。
滑走速度は遅いので、敵の動きに合わせてエイムを動かし続けるトラッキングエイムとの相性は悪いですが、“細かいエイム調整”や、素早くマウスを動かす“フリックエイム”との相性はとても良いです。
メンテナンス性重視ならガラス素材製マウスパッドがおすすめ
メンテナンス性の高さや耐久性を重視するなら、「プラスチック製」や「ガラス製」のマウスパッドがおすすめです。
プラスチック製製のマウスパッドは布製よりも高い耐久性があり、湿気による滑り具合の変化もほとんどありません。
ガラス製のマウスパッドは高いメンテナンス性に加えて、耐久性がとても高いです。
マウスパッド本体を強く叩いたり、落としたりするなどして“割れない限り”半永久的に使う事ができます。
プラスチック製とガラス製どちらもメンテナンス性と耐久性で見れば文句はありませんが、当然デメリットがあります。
表面が硬い素材なのでクッション性が全くない
プラスチック素材やガラス素材のマウスパッドは表面が硬いのでクッション性が無く、手首や腕の負担が大きくなります。
特に前傾姿勢でプレイするスタイルの場合は腕に大きい荷重がかかるので、手首の骨の出っ張り部分に圧力が集中し、長時間ゲームをプレイしていると痛みがでる可能性も。
基本的にスピード特化の滑走特性
プラスチック・ガラス素材のマウスパッドは基本的に“滑りがかなり早く”、止め性能が乏しいです。
近年はガラス素材のマウスパッドが人気という事もあり、止め性能(コントロール性)を備えたものもありますが、特殊な加工を施したものがほとんどなので、価格が2万円オーバーと、とんでもないことになっていることも多いです。
ガラス製は価格がかなり高い
プラスチック製と比べても圧倒的にメンテナンス性と耐久性が高いガラス素材ですが、価格がかなり高いです。
有名なゲーミングデバイスブランドの物なら大体1万円~というのが相場で、高いものなら2万円オーバーも珍しくありません。
近年は新興メーカー製のお手頃なものも少しずつ充実してきましたが、それでも安くて5,000円~6,000円となっています。(お手頃な布製ゲーミングマウスパッドは1,000円台から~)
もちろん布製と違って買い替える必要が無いという明確なメリットがありますが、「買ったものの、操作感が自分に合わない」となったときに、支払った金額を諦められるか?という問題があります。
選択肢が少ない
2024年現在、プラスチック製・ガラス製ともにラインナップがまだまだ少なく、選択肢はそれほど多くありません。
日本国内で安定して入手できるメーカーと言えば「Razer」「ASUS」「Pulsar Gaming Gears」「Wallhack(SkyPAD)」「Allone」といったところ。
メーカー数だけをみればそこまで問題はないように思えますが、各メーカー1~2種類のラインナップとなっており、布製のように「スピード寄りのバランス」や「コントロール寄りのバランス」など、ニーズに合わせた細かい選択肢は用意されていません。
世界で見るとほかにも多くのメーカーが販売しているのですが、製造コストや輸送リスクなどの兼ね合いでメーカー側も生産数を限定しているのが現状です。
まとめ
この記事ではゲーミングマウスパッドの選び方について解説してきました。
マウスパッドは「スピードタイプ」「バランスタイプ」「コントロールタイプ」に分かれており、良くプレイするゲームタイトルや自分が求める操作フィーリングに合わせて選ぶのがおすすめです。
まとめると以下の通りです。
また、ゲーミングマウスパッドのレビューはこちらのリンクからご覧いただけます。
気になる方は合わせてお読みください。