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e元素 Hz-61とは
e元素「Hz-61」は、キー入力速度を飛躍的に高めることができる“ラピッドトリガー機能”を搭載したゲーミングキーボード。
ラピッドトリガー機能は、本格的にゲームをやり込むなら必須と言われるほど優位性(有利になる場面が多い)の高い機能となっており、“FPSゲームならキャラクターコントロール(ストッピングやストレイフ)、“格闘ゲーム”の場合にはコマンド入力速度や咄嗟のインパクト返しやパリィの入力速度において非常に大きなメリットを生み出します。
ですが、ラピッドトリガー機能を搭載したゲーミングキーボードは非常に高価となっており、大体の目安として「2万円以上」が平均的な価格となっています。
しかし、今回レビューするe元素「Hz-61」は実売価格で8,999円(執筆時点)。
どうしても価格相応でチープに感じる部分はありますが、「ラピッドトリガーを試してみたい」「予算1万円以下でラピッドトリガー機能を使えるキーボードが欲しい」という方にはe元素「Hz-61」「Hz-68」は唯一無二の選択肢になります。
e元素とは
今回ご紹介するキーボードメーカー「e元素(E-YOOSO)」ついて軽くご紹介を。
e元素(E-YOOSO)は中国に本拠を構えるPC周辺機器メーカー。
高耐久なメカニカル式のキースイッチを採用していながら、手ごろな価格ながら高品質なキーボードを数多く展開しているのが最大の特徴です。
手ごろな価格設定を可能にしている大きな理由として、自社製造のオリジナルキースイッチを採用している点があります。
ほとんどのゲーミングキーボードは「Cherry」「Kailh」「Gateron」などの他社製キースイッチを使用していますが、e元素(E-YOOSO)は自社でキースイッチを製造することで大幅に原価のコストを削減。
「赤軸」「青軸」といった一般的なメカニカルスイッチはもちろん、近年ゲーマーの間では当たり前になりつつあるラピッドトリガー機能に対応する「磁気検知式スイッチ」もオリジナルで製造しています。
e元素 Hz-61の基本スペック
メーカー | e元素(E-YOOSO) |
モデル名 | Hz-61 |
本体サイズ | ・全61キー(60%サイズ) ・寸法:幅:270×奥行き:120×高さ:30mm |
接続方式 | ・有線(USB-Type-C) |
重量 | ・実測値600g |
キースイッチ | ・磁気検知式スイッチ(OUTEMU社製) ・スイッチ特性:リニア ・キーストローク:4.0mm ・押下圧:45g~60g |
ラピッドトリガー機能 | ・アクシュエーションポイント:0.1mm~4.0mm ・リセットポイント0.1mm~2.0mm |
キーキャップ | ・ダブルショットPBT製(XDAプロファイル) |
ポーリングレート | ・8,000Hz |
ソフトウェア | ・あり |
LEDライティング | ・あり |
付属アクセサリー | ・接続用USB-Type-Cケーブル ・キーキャップ・キースイッチ交換用ツール ・交換用キースイッチ(2個) |
価格(執筆時点) | ・8,999円 |
どんな方におすすめなのか
デザイン
本体デザインは全61キーの60%サイズ。キー配列は英語配列となっています。
本体ケース
本体は基本的にプラスチック製のケースボディとなっており、どうしてもチープ感は否めません。
しかし、キーボードトップは繰り返し行う打鍵でも劣化しにくい金属プレート性となっており、長期間の使用でも歪んだり凹んだりしないだけの耐久性はしっかりと確保されています。
接続端子
接続はUSB-Type-Cの有線接続。本体左側面に端子があります。
取り付け端子が側面にある関係上ケーブルの取り回しが悪くなりがちですが、付属のUSBケーブルがL型端子となっているので問題にはなりません。
裏面の滑り止めラバー
背面には滑り止め用のゴムグリップが貼り付けられています。折り畳まれた状態のチルトスタンドの足部分にも若干の滑り止め効果のあるラバーコーティングが施されています。
チルト機能
高さ調整機能はデフォルトとスタンドを立ち上げた状態の2段階調整。
本体下部に滑り止め用のラバーゴムが取り付けられており、それなりに滑り止め効果があります。
しかし、スタンド部分の滑り止め効果はお世辞にも良いとは言えず、多少滑らない程度のグリップ力しかありません。
スタンドを引き出すと先端部分にも滑り止めが付いていますが、こちらもほとんどグリップ力は無く、滑り止めとしてはほとんど機能していません。
スタンドを折り畳んだ状態、立ち上げた状態どちらでも滑り止め効果はイマイチです。
キー配列とレイアウト
キー配列は全61キー60%サイズの英語配列となっており、テンキー・F1~F12のファンクションキー・Delete/Insert/PageUp/PageDownなどのキー・矢印キーが省かれています。
本体サイズが超コンパクトなのでFPSゲームをプレイする上ではマウスの操作範囲を広く確保することができ便利です。
が、しかし、普段使いをしていると「あれ?このキーも無いの?! 」という場面が多々あるので、普段使いのシーンだと不便に感じる時が多いです。
e元素「Hz-61」と比べて7キー分多い「Hz-68」は価格が1,000円ほど高くなっていますが矢印キー・Delete・PageUp/PageDownキーが搭載されているので少し機能性が良くなっています。
特に矢印キーが無いと思った以上に不便に感じるシーンが多いので、普段使いを想定するなら「Hz-68」がおすすめです。
キースイッチ
OUTEMU社製の磁気検知式スイッチが搭載されています。
OUTEMU社はe元素の親ブランドにあたるメーカーで、様々なキーボード用のメカニカルスイッチを製造しています。
キーキャップを外した状態で軸を触ってみると上下左右若干軸ブレがあり、特に上下のブレが大きいです。
ですが、キーキャップを付けた状態かつ普通にキー入力をする場合には特に問題になるほどはブレではないので、実用上の問題はありません。
キーキャップ
XDAプロファイル、PBT素材製の2層構造(ダブルショット)キーキャップとなっています。
全体的に丸みを帯びたデザインとなっており、角張りが無く柔らかいキータッチとなっています。
キーキャップの厚みは十分にあり、がっちりとしており剛性感はばっちり。
しかし、キーキャップ表面は綺麗に成型されている半面、裏面の成型精度はかなり粗く、バリ(成型時の出っ張りや突起物)も処理が甘く作りの粗さが目立ちます。
表面は少しツルツルとした質感、印字部分の凹凸もほとんどありません。
打鍵時の指離れも良く、まとわりつくような感じはありません。
ただ、指が汗ばんでくるとそうしてもベタつき・ヌルヌル感が強く、ヌルっと指が滑る可能性があります。
この価格のキーボードにデフォルトで取り付けられているキーキャップとしてなら特に文句はありませんが、純粋にキーキャップの品質だけを見ると決して良いとは言えません。
打鍵感
キーを押し込んだ際のフィーリングとしてはリニアスイッチらしく滑らか。
押し込んでから離す動作全体が柔らかい感触でキータッチは良好です。
底打ちした時の衝撃はそれなりに感じますが、指に伝わる感触としては柔らかいレベルに収まっています。
キースイッチの軸ブレがそれになりにあるので、特にキーを押しっぱなしにしていると少しカタつきを感じます。
しかし、グニャグニャとした不愉快なフィーリングは無く、実用上で問題になるほどの軸ブレではないという印象。
キーの重さ(押下圧)
キーの重さは初動45g~底打ち60gと初動こそ軽いものの、少し跳ね返しが強めで押下圧は少し重め。
スイッチ感の無いリニアスイッチとしては少し重めの押し心地となっています。
手のひらが男性の平均サイズの筆者ですら、力が掛かかりづらい薬指でキーを押すと結構重たく感じるので、手が小さめで指先に力がかかりづらい方や、軽いキータッチが好きな方にはあまりおすすめできません。
軸ブレ
軸ブレが上下左右に少しありますが、グニャグニャ感は無く意識していないとほぼブレは気になりません。ただ、1つのキーを長押ししているとキーが少しガタついてしまうので少しフィーリングは悪い印象です。
スペースキーのスタビライザーは上下ブレが大きめですが、押し込み動作自体は滑らかなので実用上の問題はありません。
全体的にはどうしても軸ブレはありますが、グニャグニャ感を感じる程では無いのでゲーム中に違和感は感じないレベルに収まっています。
スペースキーのカタつきは正直大きいですが、キーを押し込む際には特に問題は無く、まぁまぁこの価格なら許せるクオリティといったところ。
ラピッドトリガー機能
AP(アクチュエーションポイント)0.1mm~4.0mmの範囲で調整可能。
リセットポイントは0.1mm~2.0mmの範囲で調整可能となっています。
AP(アクチュエーション)・RP(リセットポイント)ともに最速設定にした状態で実際に格闘ゲームのコマンド入力で試してみたところ、キー入力は正しく反映されています。
また、キーの入力精度もまったく問題ありません。
当たり前のことですが押していないキーが誤って入力されることは無く、上下左右はもちろん斜め入力も思った通りに入力されます。
精度
キー入力が反映される箇所AP(アクチュエーションポイント)を最短の0.1mmに設定した状態で計測した実測値は1.0mm(誤差±0.1mm)。つまりソフトウェア上の設定に対して約0.9mmのデッドゾーン(キー入力が反応しない範囲)があるという事になります。
ただ、キーを完全に上げ切っていない状態(半押し状態)からの再入力は0.3mm(誤差±0.1mm)で安定。キーを上げ切らない状態からの再入力速度は及第点です。
メカニカルスイッチだと入力がOFFになるポイントが固定されているので、キーを定点まで戻しきらなくてもまた入力できるのは純粋にメリットといえます。
キーを離し始めてどのくらいキーが上がったら入力がオフになるのかの数値であるリセットポイントは0.3mm(誤差±0.1mm)で安定。
カタログスペック通りとはいきませんが、十分に高速なのでリセットポイントに関しても及第点といえます。
結論
メカニカルスイッチ中でも入力が早い「銀軸(スピード軸)」でアクチュエーションポイントが1.2mmなので、アクチュエーションポイントが最速設定でも1.0mmというのはラピッドトリガー機能を搭載したキーボードとして見るとはっきり言ってスペック的に物足りません。
しかし、入力解除(リセットポイント)と半押し状態からの再入力ポイントは0.3mm(±0.1mm)と、メカニカルスイッチでは絶対に敵わない入力ON/OFF速度を誇ります。
まとめると、咄嗟の入力速度はメカニカルスイッチより少し早い程度のスペックしかないけど、半押し状態からの再入力速度(連打速度)と入力OFF(VALORANTのストッピング)の速度はかなり早い」というなんとも微妙なスペックです。
LEDライティング
e元素「Hz-61」にはLEDライティングが搭載されています
専用ソフトウェアを使用する事で輝度は4段階調整、ライティングエフェクトはプリセットで15種類+カスタムプリセットが1つ用意されています。
明るさを最大に設定しても明るさが少し足りない感じがしますが、エフェクトの種類は豊富なので及第点といったところ。ゲーミングデバイスらしいにぎやかなエフェクト表現が用意されています。
ソフトウェア
e元素「Hz-61」「Hz-68」はソフトウェアに対応しています。
※ダウンロードリンクはこちら
専用ソフトウェアは海外サイトかつ接続が暗号化されていないサイトからの配布となっており、筆者が実際にダウンロード・インストールしたところ“ウイルス検知はされませんでした”。
ソフトウェア本体もセキュリティソフトでスキャンしましたがウイルス検知はなく問題はありませんでした。(※ダウンロードおよびインストールは自己責任でお願いいたします)
ソフトウェアの使い方
配布されているソフトウェアはインストール時に日本語が選択できます。
翻訳精度は少し粗いですがが何を設定する項目なのかは分かるように翻訳されています。
設定できる要素は以下のとおり。
ラピットトリガー設定
一番重要なラピッドトリガー機能の設定項目が少し複雑なので解説を。
キー毎にラピッドトリガーの設定が可能となっており、まずは設定したいキーをクリックします。(複数キーをまとめて選択することも可能)
この状態で左下のラピッドトリガー機能設定項目を変更することで細かいキー感度の調整が可能になります。
キーを選択したらキースイッチの画像の中心にある黄色の丸い点を動かすことでアクチュエーションポイント(作動点)の調整ができます。
また、キースイッチ右側のチェックボックスにチェックを入れることでAP(アクチュエーションポイント)とRP(リセットポイント)をより細かく調整することができます。
設定をしたら最後に適応ボタンを押してラピッドトリガー設定の変更が完了します。
まとめ
e元素「Hz-61」は、「1万円以下でラピッドトリガー機能を搭載しているキーボードという事を踏まえると、かなり頑張っているな」という印象です。
キーキャップ裏面の作りが粗かったり、本体ケースがほとんどプラスチック製なところなど、どうしてもチープ感があるのは確かです。
しかし、1万円以下かつラピッドトリガー機能を搭載していることを考えると、十分なクオリティを備えています。
そして肝心要のラピッドトリガー機能ですが、RP(リセットポイント)と半押し状態からの入力速度はラピッドトリガー搭載キーボードらしく超高速で入力のON/OFFが可能です。
ですが、どうしても価格相応といえる部分が1つあります。
それは、キー入力速度に直結するAP(アクチュエーションポイント)が1.0mm程度の位置となっており、従来からあるスピードタイプのメカニカルスイッチとさほど入力速度が変わらないという点。
咄嗟の入力速度だけで見ると正直ラピッドトリガー搭載キーボードとしてははっきりいって残念なスペックとなっています。
また、AP(アクチュエーションポイント)は従来からある、入力速度が早いメカニカルスイッチとほとんど変わらず、咄嗟のキー入力速度ではあまり優位性はありません。
結論、e元素「Hz-61」は、ラピッドトリガーキーボードというよりは入力速度がメチャ早く連続入力とキーの入力OFFはすごく早いゲーミングキーボードです。
スペックで高級ラピットトリガーキーボードと比較してしまうと微妙ですが正直1万円以下という事を考えれば十分なクオリティとスペックを有しているので、コスパで見れば不足感は感じません。
なので、「ラピッドトリガーを試してみたい」「どうしても低価格ななラピッドトリガーキーボードを探している」という方にはおすすめできます。